採集記


◆2011年7月15日 オオクワ奮戦記(&ケレシウム)


きょうはトリプル・ヘッダー!

1)まずは某所のオサ・トラップの点検に行った.

プテロがまた入っていた!
ほかにフジクロナガオサムシ、ルイスオサムシ、ヨツボシモンシデムシ×3など.

トラップの数が6個なので、まぁまぁえぇとしょ.

↓(クリックで大きく表示.以下同様)
↑未展足.左からプテロ、フジクロナガオサムシ、ルイスオサムシ.


トラップを後にして某所へとバスと電車で移動.


2)里山で...

ケレシウム×16(ヒゲナガヒメカミキリ…その中に3頭大きいのがいて個体変異というか個体差なのか現在のところ不明.形からすると同種みたいだけど.(後日同じものと判明)
マルクビケマダラカミキリ×2
クロトラカミキリ×6
ほか

↑未展足.
上2段がヒゲナガヒメカミキリ.3段目がマルクビケマダラカミキリ、下の段がクロトラカミキリ.



帰宅後、すぐに友人S氏が迎えに来た.「1)」の途中、彼からのメールでオオクワを採りに行こうと誘われていた.
準備する間もなく某所へと向かった.
リュックをそのまま持ったため、いらないのにトラップのお酢まで持って出てしまった.(汗;



3)某所にて

友人S氏の親友K氏と合流.今夜はこのK氏が案内役.
最初のポイントへ2台の車で移動.


1本目のクヌギに数頭のアカアシオオアオカミキリ!

\(^O^)/ ヤリィ!


実は、オオクワなんてそう簡単には採れないだろうけど(今まで採ったことも狙ったことも見たことすらない)、アカアシオオアオがいればバンバンザイと密かに考えていた.

このアカアシオオアオ、だんだん少なくなってきているらしく、早いうちに確保したいと思っていたけれど...夜間にクヌギのところなんてそうそう行くチャンスがなかった.

でもこれで目標達成だぁ!(初採集!)
もう帰ってもいいくらい.
( ( ( ヽ(; ∩ 。∩)/

↑アカアシオオアオカミキリ(未展足).



そして次の場所へと移動.
とたんに緊張が走る!
キンチョールは走らない!
v(^∀^ )☆\(^∀^;)/ ナンノコッチャアッチャコッチャ!



K氏がそこのクヌギの樹洞の中にオオクワを発見!!
\(◎∀◎;)/ マサカッ!


K氏と友人S氏が入れかわり立ち替わり何十分も格闘!

しかしぃ.....


オオクワは複雑なウロの奥へと消えてしまって...やむなく断念.
残念.
v(^∀^ )☆\(^∀^; ココデシャレカヨ!



そのクヌギの下には花火がいくつか落ちていたので、ほかの人も苦労してあれこれとやったらしい.


オオクワガタを採るのに花火を使うなんて初めて知った.


ここのオオクワは逃がしたけれど…でも、おらがアカマダラコガネを1頭ゲットした!
ラッキィ!(アカマダラは飼育するつもりなので写真なし.現場でも撮るより先に採っちゃった)



次のポイントに、また車で移動.
ここは誰にも知られていない所らしい.(この日は他のオオクワ狙いのいくつかのグループの人たちとすれ違う.いるもんだね)



しかししかし、
その場所に行くまでの道が...

「え?こんな車がすれすれのとこを行くの?」

という位の車幅!
少しでもハンドル操作を間違えれば、間違いなく何十メートルも落下する危険な場所!!!(冷や汗だくだく;



友人S氏は

「落ちたら死にます」

と笑いながら運転.


コワ〜〜〜...
こいつら(クワガタ屋)命知らずで、完全に「いっちゃってる」!(友人S氏がよく使う言葉)

こんな所だから人に知られていないんだと納得.



そういえば土佐の高知にいたころ、四国で一番高い石鎚山や手箱山に虫採りに行く時にバスで3〜4時間だったか乗るんだけれど、だんだん高度が上がっていって、ふと窓の外を見ると・・・

み・み・道がずぇんずぇん見えないぢゃぁ、あ〜りませんか!
(((( ;゚Д゚屮)屮 ヒエ〜アワ〜ムギィ〜!
v(^∀^ )☆\(^∀^; ナンヂャソラシドレ!


車幅が道路いっぱいいっぱい!
下は谷底まで何百メートルあるかわからない!
すれ違いの車が来たら、ところどころにある道幅の広いところまでバックで戻る.
(((( ;゚Д゚屮)屮 ヒエ〜アワ〜ジカン〜!
ヽ(●∀○)☆\(^∀^;)/ ナンノコッチャアッチャコッチャ!



あんなコワイとこなんてもう二度といやだ!・・・と思いながら何度行ったことか.
v(^∀^ )☆\(^∀^; イッチャッテル!



そんなことを思い出していると車が止まった.
そして目的のクヌギの所へ行き、三人で見上げた.

・・・・・

K氏が、そのクヌギに絡む隣の樹木の葉の陰でチョロチョロと動く小さいクワガタの姿を発見!


三人で見ていたのに、見つけたのはK氏だけ.
よっくあんな葉っぱの陰でウロに出たり入ったりしているクワガタを見つけるもんだと驚いた.
おらはルッキングでカミキリを見つけるのは大得意だったけれど(むかしね)、全然わからなかった.

見る目というか、見方が違うんだなぁと感心しきり.
虫にしろ釣りにしろ音楽にしろ何にしろ、餅は餅屋と言うように、見る目や聞く耳が違うと感覚って発達するもんだなぁと改めて知らされた.



車から脚立を出し、長く伸ばしてそのクヌギに掛けようとするけれど、これがなかなか安定しない.足場が相当悪い.

やっとのことで「はしご」になった脚立をK氏が登って見たら、さっきのクワガタがいない!


友人S氏が変わって登り、ウロの奥にオオクワらしき身体の一部を発見!

「オオ(クワガタ)みたい!」と叫んだ!

「どこどこ?」と言ってK氏が変わって覗き込み「オオだ! オオだ! でかいぞ!」
もう現場は大騒ぎ&大はしゃぎ!!!
みんな子供みたぁ〜い!


K氏が変わって取り出そうとする.
ところがオオクワはウロの一番奥にぴったりとひっついていてびくともしない.
それからあの手この手で何十分か経ち、K氏が、

「オ〜ッ!動いたぁ〜ッ」


すると友人S氏が

「俺に採らせろ〜ッ」

と「はしご」を登りK氏とすごい体勢になった!
脚立の上に二人が乗っているの図は「ごいす」!あはは
子供みたぁ〜い!



友人S氏は「掻き出し棒」でオオクワの脇の下(?)をこちょこちょしてみたらさらに少し動いた!
動いて少し空いた部分から元の奥へ行かない様に、細い木の枝で行く手を塞(ふさ)いだ.

「酢エチ(酢酸エチル)があればなあ」と言うので、とりあえずおらの毒瓶から酢エチをしみ込ませた綿を取り出してそれを出口に詰めた.


液体の酢エチで注射器を使う方法もあるらしい.(やり方を聞いたけれど、こりゃ技だわぃと思った)
世界が違うといろいろな採り方があるもんだとまたまた感心した.


さらにピンセットが欲しいところだけれど、きょうは誰も持っていない.(ピンセットと言っても、ドデカ・ピンセット)
そこで、K氏がピンセットを持って来るように同僚に電話.
その同僚(二人)は、この場所が初めてなので到着するまでだいぶ時間が経過.

・・・・・

やっと届いたピンセットで友人S氏が操作.

なかなか出て来ない.
でも無理は出来ないので、ピンセットでオオクワの体勢を変えさせ(友人S氏は片手で枝をつかんでの相当不自然な体勢)、皮手(皮の手袋のことをこう言うらしい)をした指をオオクワに挟ませて...


1時間以上の格闘後に、ついに取り出しに成功!

「やった〜ッ!」「こいつでかいぞ!」
「どらどら!?」
「すっげ〜!」
「こんなの初めて見た〜!」(ピンセットを持ってきた同僚たち)
└( ゚∀゚)┘└(゚∀゚ )┘└( ゚∀゚)┘└(゚∀゚ )┘└(゚∀゚ )┘



5人になった現場は、もうお祭り騒ぎ!
みんな子供みたぁ〜い!
もち、おらもだょ!
( ( ( ヽ(; ∩ 。∩)/ アハハ〜!



道路に置いたオオクワを5人がぐるりと取り囲み、地べたに正座してみんなで小声で笑いながら(それまで大声だったのに、なんで急に小声になったかわからない)、ひそひそ声の音量で「イェ〜イ」とハイ・タッチ…いや、胸の辺でやったからミドル・タッチ.
しばらくそのオオクワをみんなで眺め、写メを撮ったり感心したり溜め息をついたり...

「64mmかなぁ?」
「65はあるよ」
「かっこいいなぁ...」

などなど、しばし憩いのひととき...

↑ワイルド・オオクワガタ!

↑アップゥ〜!

↑もひとつ、どアップゥ〜!

↑帰宅後撮影.67mmぐらいかなあ?…と友人S氏.

↑その後友人S氏がノギスを持って来てくれて68mmと判明!


K氏によると、こんなに立派なオオクワは最近は採れないらしい.
あとで山梨の親友に連絡をしたら、

「今は天然でそんなにでかいのは奇跡だよ」
だと!



オオクワ採集に初めて参加して、オオクワを専門にやっている彼らが言うには・・・1匹目は採れなかったけれどすぐに2回目があって、しかもこんなにすごいのをゲット出来たなんて…本当にそうそうないらしい!


友人S氏は5年も通って採ったのは殆ど♀で、小さい♂しか採ったことがないそうな.(K氏は反対に♂の方が多いらしいけど)
いずれにしても、初採集参加でのゲットで...「持っている」と言われた.

「持っている」というのは「(つきだか運だかなにかを)持っている」ということ.


「神だ神だ」とも言われた.

そ・そんな畏れ多い.
そんなことなぃょ...
・・・・・
そうかなぁ?
ほんとぉ?(「うる星やつら」風)
ヽ(◎∀○)☆\(^∀^;)/ ソノキニナルナッツ〜ノッ!



おらは、発見〜捕獲まで…ただ見ていただけ.なにせカミキリの世界とは全然違う世界過ぎて…ずっと呆然と見ていることしか出来なかった.

脚立を使ったり、木に登ったり、スズメバチさんがいらっしゃるにもかかわらず、懐中電灯を巧みに点けたり消したりしてスズメバチさんをかわして…でもこの時はさすがにウロは覗けず退散.
次から次へとポイントを変えるオオクワ愛好家!・・・そんな二人をひたすら見守るだけだった.


「足を踏み外したら20m落下して死ぬからね」

と笑いながら端っこに座り込む彼ら.
そういうような所が何ヶ所もあった

・・・・・

オオクワ採集は…今回限りだろうなと思った.



ほかに
アカマダラコガネ(合計2頭)、
キマダラミヤマカミキリ(別名キマダラカミキリ、キマダラヤマカミキリ)、ミヤマカミキリなど.
カブトムシは超・多数(採集せず).




家に着いたのが翌朝の6時ごろ.
前日家を出たのが午前7時過ぎだから、ほぼ24時間も!
働きもんだ!・・・てか?
v(^∀^ )☆\(^∀^;)/ オバカ!



追記:
オオクワガタは現在飼育中.
うまく飼うと3年は生きるらしい.5年も生きたという例もあるらしく、ペットとしてもいいと書いてあるところもあった.
なにせ鳴かないからうるさくないもんね.
v(^∀^ )☆\(^∀^; アリャコーラ、ソリャソーダ!

触っても、ノコギリクワガタやミヤマクワガタの様に怒って挟もうとしないし、飛ぼうともしなくて、非常におとなしい.(ただ、挟まれると大変らしい)
友人S氏は、自分で採集したオオクワガタのブリーディングをやっているんだけれど、彼がノギスを持って来た時に、オオクワの背中をなでなでして可愛がっていた.
その気持ちがわかった様な気がする.
クヌギがあるところに棲んでいる位だから、低山性で温度をそんなに気にしなくてもいいし.
なんか気に入ってしまった!



さらに追記:
♂を採ったクヌギに最初にうろちょろしていてどこかに消えたのを、後日K氏が見事に採集!
オオクワの♀だった.
その後その♀を持って来て、プレゼントされた!
ひたすら感謝感謝


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